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災害情報ボランティア

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「災害情報ボランティア」とは、災害支援活動を情報面で支援する取り組みの全般のことである。

情報ボランティアの活動は広範囲に渡る。その多くはパソコンを利用できれば可能なものであり、高度なIT知識を必要とする支援は少ない。 また、一部の情報ボランティアの活動は、被災地に直接行かなくても可能な遠隔支援のボランティアであるため、後方支援としても有用である。

以下にその例を示す。

目次

情報発信支援

情報発信支援とは、ボランティアの募集状況、必要な物資、被災地の状況などの情報発信を支援する取り組みである。 被災自治体やボランティアセンターNPOなどの支援団体などの一次情報の発信支援は信頼できる情報として役に立った。

以下のような形の情報発信支援が行われている。

  • 被災地の状況や必要物資、ボランティアの募集状況などの内容を情報発信する
  • アクセスが集中したことでダウンした被災地自治体のWebサイトのミラーリングサイトを作成する[1]

災害ボランティアセンターやNPOでは、必要物資やボランティアの募集状況を発信することで、物資やボランティアが多く集まった地域がある。 情報発信力の差により支援の濃淡ができた。 その一方で、情報を発信するだけでは、物資やボランティアが集まりすぎることがあるなど情報のコントロールが難しい。 要求した数だけを募集するマッチングの仕組みが必要とされる。 支援物資の募集では「Amazon欲しいものリスト」が必要な数だけを募集することができたため、非常に良く機能した[2]

一次情報の発信は、情報発信する人が直接得た情報だけでなく、対面および電話等で聞き取った内容も含めて一次情報として発信された。特に、被災地で活動している方が情報発信することを支援する現地での情報ボランティアが必要とされた。

救援情報や必要物資などの情報の拡散を依頼する書き込みがなされることがあり、Twitterなどで情報の拡散を支援する取り組みも行われたが、二次情報の拡散は、デマの拡散や古い情報の拡散による混乱などを引き起こした[3][4]。 特にTwitterで非公式Retweetがなされると、情報源を確認できず、取り消された情報がいつまでも拡散されてしまう状況が発生した。 sinsai.infoでは、投稿された情報をモデレータが確認し、デマや煽動ではないと判断してから公開することで、対応している[5][6]

インターネットにより発信された情報は、被災地から離れた場所では有用であったが、停電が長く続いたことや公衆回線設備が津波で流出したこと等により、インターネットに繋がらなかった被災地では直接の役には立たなかった[7][8]

また、被災各地でボランティアベースの災害コミュニティFMが立ち上がり、FM放送を利用した地域情報の発信が行われた[9]。 停電地域が広く、また避難所生活が長かったこともあり、FM放送波を利用した地域情報の提供は有用であったと考えられる[10]。 コミュニティFMについては被災地域以外でもインターネット経由で利用できるサイマルラジオ[11]などを利用することで聴くことが出来る[12]

今後は、情報発信だけでなく、地域間交流を目的とした情報支援が望まれる。

支援活動例

情報の整理

ボランティアニーズ、救援物資、被害状況、救援場所などの情報整理の支援の取り組みがされた。 東日本大震災では、ツールが整備されていない状況で支援がなされたため、多くの地域では紙での情報整理がなされており、パソコンを利用した情報整理の取り組みは少なかった。 Excelのマクロなども含めてツールを利用した場合、ツールを提供するだけでなくサポート支援が重要である。災害支援では支援者の多くが一時的なボランティアであるため、 簡易なマニュアルを用意するなど引き継ぎが容易にできるように整備しておかなければ、サポートできる人がいなくなると利用されなくなってしまう。

東日本大震災では、Googleの提供したPerson Finderにより安否情報の提供がなされた[13]。安否情報の提供は避難所の名簿画像の収集、および画像からデータ入力をした情報ボランティアが果たした役割も大きい。

一部地域の避難所においてsahanaを利用した支援物資のニーズ把握と仕分けが行われた[14][15][16]。 ITに慣れた方がいる避難所ではうまく機能した一方で、ITに慣れた方がいない、または既に紙で運用が回っていた場所では利用が少なかったようである。

ボランティアニーズのマッチングは必要とされたが、マッチングを支援するツールが整備されたいないためにITを利用してもマッチングの負荷が高くボランティアが多く集まった時期には活用されなかった。 ボランティアが減ってからは、ニーズが減ったこともあり、事前登録性という形で事前にニーズのマッチングがされている。

給水所や炊き出し、給油できるガソリンスタンド、お風呂に入れる場所などの情報提供が行われた。TwitterやGoogle Mapsへのマッピング等によるインターネットでの情報提供は、停電しネットワークが繋がらなかった被災地でどれだけ利用されたかは分からない。炊き出し等の情報をインターネットにより広く公開することは、被災地外の人を呼び込むことにも繋がり、却って被災地の人の迷惑になった可能性もある。被災者向けには、インターネットではなく紙での情報提供の方がより望ましい。 山元町災害FM放送(りんごラジオ)では、ライフラインの情報をラジオで伝えていたが、ガソリンと灯油情報は伝えなかった[17]。当初は伝えたが、朝の3時から長蛇の列になるなど大混乱の元になったためすぐに取りやめた。

また、宿泊できる場所や再開したお店など、被災地外から被災地へ向かう人向けの情報をまとめてインターネットで公開する取り組みも行われている。

支援活動例

インターネット環境の構築

被災自治体、ボランティアセンター、避難所など、情報発信および情報収集を必要としている場所において、停電、通信設備の流出等によりインターネットを利用できない状況が長く続いた。

被災初期には、衛星通信によるインターネット回線が提供されている[18]。携帯電話が利用できるようになってからは、通信モジュール提供によるインターネット接続が支援され、構内LANの構築やプリンターの接続などの支援が行われた。

避難所や仮設住宅にインターネット環境があることで、情報収集や情報発信、パソコン教室を開いたりなどが期待されるが、場所によっては避難所でのインターネット環境は必ずしも望まれたわけではない。子どもが遊びだけで利用している状況や、子どものインターネット利用を規制したい、フィルタリングソフトを導入したいという要望などが発生した[19]

仮設住宅では、集会場などにおいて共同利用できるパソコンと共にインターネット接続が支援され提供されている場所もある。

支援活動例

パソコン教室

仮設住宅の集会所でパソコンの利用の仕方を伝えたり、インターネットを使った調べ物を手伝う取り組みがされている[20]。コミュニティ支援、IT人材育成の側面もある。

支援活動例

被害情報の記録

写真アーカイブなど、被災状況を記録し、記録として後世に残すための取り組みがなされている。 被災後の記録だけでなく、被災前、復興する過程が記録されている。 また、写真や動画を残すだけでなく、被災者の証言も記録されている。

記録された情報は、今後の防災対策、教育や研究への利用が期待されている。

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